内部告発をシリーズで検証していきます。
3回目は、「偽装・責任転嫁/・・・・そして破錠!」と題して船場吉兆を検証します
船場吉兆を検証!
謝罪会見の様子が全国に報道された。
あまりの滑稽さに笑いも出なかったのを覚えている。
ミートホープの場合は、子が間違っている親を諭した、本当にやったのならやったと、本当の事を言ってください、と。
この言葉が、耳の奥で繰り返して響く。
船場吉兆の場合は、親が子を導く様子はうつくしくもあり感激ものだが、オウム返しを強要したのにはあきれ返るといわざるを得ない!
オウム返しをするほうもするほうで、社長としての責任のかけらも感じ取れなかったのはわたしだけではないだろう。
この現象も、いわゆる老舗の老舗たる現象といえなくもない。けっして老舗がいけないとは言っていない。
往々にして陥りがちな身内経営では、多くの従業員を抱えて奮闘する組織を動かすことなど出来はしないのだ!
経営者が自ら身をただし、従業員の模範とならなければならないはずが、これでは組織の末端も想像できてしまう。
内部告発の難しいところは、組織のトップがトップとしての資質に欠ける場合が多く、不正を正す機会が奪われてしまうことにある!
社長が決して偉いわけではない!社長としての責務をこなしてはじめていえることである!
なんと中身のない薄っぺらな人が、社長椅子にふんぞり返っていることか、実に嘆かわしいことである。
それに、監督者に通報という形でしか告発が出来ない現状を、経営のトップはじっくり考えてほしい。
意見が通報だったり告発だったりと変貌しないで、意見として用いられる日が一日も早く訪れることを切に望むしかないのか。
「現場見よう」調査は難航!
船場吉兆の偽装事件も、保健所の電話に寄せられた匿名情報が発端となった。
昨年9月11日午後4時ころ、福岡氏中央保健所の衛生課で、市職員になって2年目の村上綾さん(26)が受話器を取り上げた。
電話の主は、声が小さく何度も話しを聞き返さなければならなかった。
「賞味期限が切れて売れ残っても、売切れるまで期限を延ばして販売している」。
福岡氏の繁華街・天神にある大手百貨店「岩田屋」の地下2階にある「吉兆」で、プリンやマドレーヌの賞味期限の張替えを行っていると告発する内容だった。
「吉兆」とは、名門として全国に知られる料亭吉兆の系列「船場吉兆」が経営する惣菜・果子の販売店のことだ。
電話の主は、まくしたてるわけではなく、淡々とした口調で細かな事実関係説明した。
「お名前とか連絡先は?」。
村上さんの問いかけに、「それはちょっと・・・・」。答えにくそうだった。
やり取りは10分ほどで終わった。
衛生課で岩田屋を担当する食品第2係の係員と係長、第一係長の三人が、村上さんの報告をもとに対応を相談した。
「現場を見る」という結論がすぐにまとまり、職員たちは歩いて岩田屋に向かった。
村上さんから電話を受けてからここまで、一時間も経っていなかった。
しかし、調査は難航した。
船場吉兆は賞味期限の張替えを「不適正だった」と認めたが、「アルバイトの認識が不十分だった」
と説明し、賞味期限切れ販売については否認した。
足踏み状態が続いていた10月18日、再び中央保健所の電話が鳴った。
偽装・責任転嫁/・・・・そして破錠!
昨年10月18日、二度目の電話が福岡氏中央保健所にかかってきた。
「吉兆の食品について・・・・・・・」「この前の吉兆の件ですね?」「はい」
船場吉兆による期限表示の偽装を告発する最初の電話から1ケ月余り経っていた。
保健所職員から追及されても、船場吉兆は商品の消費期限切れ違法販売を認めなかった。
電話の主はこの顛末に納得していない様子だった。
「期限切れの状態で販売している。不正が発覚しないようにやっているので厳しく調査してほしい。」
電話の主は、期限表示の張替えの手口を細かく説明した。
翌19日、中央保健所の職員2人が改めて店を訪ねた。22日には船場吉兆の湯木尚治取締役から話を聞いた。
消費期限を過ぎて売れ残った「黒豆プリン」がどうなったかが焦点だった。
湯木取締役は「自分個人の進物用にした」と説明し、消費者への販売を否定した。
一方、保健所が入手していた9月4日〜8日の売上在庫日報の上では、売れ残りが湯木取締役の進物に回された形跡はなかった。
保健所職員からそれを指摘されると、湯木取締役はしどろもどろになった。
その夜、保健所内で担当職員が話し合った。
「湯木取締役はおそらくうそを言っている。帳簿類を破棄したり改ざんしたりするかもしれない」
23日、船場吉兆の入る百貨店の岩田屋に要請し、4〜9月の伝票類の提出を受けた。
53個の「黒豆プリン」が消費期限を過ぎた後も販売され続けていたことがそれらの分析で明らかになった。
10月28日夜、福岡市が記者会見し、事件が始めて公表になった。
その後、果子の消費期限切れ販売だけでなく、牛肉の産地を偽っていたこと、パート店員に責任を押し付けようとしたことまで芋づる式に明らかとなる。
最初の電話から4ケ月後の今年1月、船場吉兆は経営破錠した。